7/25/2013

どうして民主主義がいいのか考えたことがなかった

大学生は、どこの国でも、最新の情報や禁止されているものに対する感度がその他の世代よりも高い。良いことも悪いことも、新しいこともくだらないことも、僕らの世代は意外とよく知っている。

言論の自由がないとか民主主義ではないために様々な情報が統制されていると言われている中国。その国から来ている友達と多くの時間を一緒に過ごしているけれど、彼らはみんな自らの国の事情を充分知っていて、禁止されている情報なども「なぜ禁止されたのか」「どのような内容だったのか」ということを敏感に察知している。
そんな彼らとの会話から考えたことをつらつらと。

『民主主義』『デモクラシー』
日本では参院選がついこの前に終わった。「投票に行こう!」「投票して来ました」そんな声がたくさん聞こえてきたけれど、それらの根本となっているのがこの民主主義。民主主義だから、投票ができて、三権分立されていて、一部の権力が横暴を振るわないようなしくみとなっている。それぐらいのことは社会科で習った。でも、それ以上のことを学ぼうとはせず、「だって生まれたときから民主主義だったから当たり前だよね」と僕は思考停止していたように思える。

ルームメイトが紹介してくれたTEDを彼らと一緒に見ながら、国のシステムについて考えた。
"Eric X. Li: A tale of two political systems"

日本語のサブタイトルがない(このことからもいかに日本人がこの事柄に興味を持っていないかが伺える気がする)けれど、このHPで日本語に訳してくれている人がいる。

民主主義は、この世の最後の政治形態だと主張する人もいる。Eric.Liの上のTEDの最後の会話でも出てきた『歴史の終わり』フランシス・フクヤマが言うことには、完全な民主国家ではいかなる権力の集中や独裁も多勢の民意には勝てないため、これ以上国家の統治形態が変わること=歴史が変わることがなく、民主主義化は歴史の終わりだと言う。

しかし、僕たちは民主主義の問題点、また民主主義を支える自由市場の非道徳性をこの4~5年間見続けている。独裁国家が倒れても治安は良くならず、自由市場は人の欲をコントロール出来ず多くの国の景気をどん底に陥れ、民主的に選ばれた首相もクーデターによって倒される。

民主主義は平和的なのだろうか。結果だけ見れば、僕が世界のモノゴトに興味を持ち始めたこの15年間で大きな戦争をしたのは民主主義の大国だった。テロの報復に、大量破壊兵器があるとこじつけて拳を振りかざし、兵器がないとわかったら独裁政権を倒して民主化するという名目にすりかわっていた。これではデモクラシーの帝国をつくろうとしていると見られてもおかしくない。僕の生まれたこの国も、民主主義帝国チームの一員になっている。
民主化されたチュニジアを旅して、「失業している人が増えた」「インフラの整備が全くすすまない」と嘆く人の声を聞いた。そんな人達に、長期的な目線で見たら民主主義の方がハッピーになれるんだよ、なんて言葉はかけられなかった。

文化に関しても、どの国も同じ民主主義という形態をとる方向になってしまったら、失われるものは多い。自由市場で外資がたくさん入ってきた結果、日本の食生活はどんどん欧米化している。日本に限らず、世界中の多くの民主国家がそうなりつつある。どこの国に行っても強力なサプライチェーンを持つマクドナルドやスタバという民主主義の申し子達に会えるのは嬉しいけれど、その陰に隠れて見えなくなってしまったその国独自の文化は、少数派の人しか支持しないから消滅の一途をたどるしかないのだろうか。

共産主義を唱えるわけではない。自分なりにデモクラシーについてちょっとずつ勉強してきたつもりだし、きっと僕は民主主義と言う国の形が好きだと思う。アメリカの民主制に関する古典と言われている『アメリカのデモクラシー』トクヴィルを留学前に読んだけれど、そこには民主国家の強い点・弱い点が書かれていて、興味深かった。例えば、民主国家では多数派の先制政治になるため、世論をつくること=メディアの役割が大きくなり、そこに腐敗がうまれるだろうと、現在でも問われている問題が200年近く前の本で既に述べられている。

民主主義とはことなる国のシステムで、世界第二の大国となった中国からきた友人たちと共同生活する中で、自らの国のシステムが相対的に炙りだされている。民主主義が果たして素晴らしいものなのか、勉強不足で僕にはまだわからない。それでも、自分の国が導入しているシステムなのだから、そのことをもっともっと良く知り、理論的に、自然に、ポジティブに話せるようになりたい。

イギリスの元首相チャーチルの言葉を引用して、終える。

『民主主義は最悪の政治形態であると言える。ただし、これまで試されてきたいかなる政治制度を除けば』


Just let me give a small provocative question, something like a devil's advocate, but that has stuck on me since after my travel in Tunisia;
"What is Democracy? What is good about that?"

After the Arab's spring, many countries graduated from dictatorship, introduced democracy, and now chaos came on. Infrastructure corrupted, still high unemployment rate, and the democratically erected president was turned over by the power.
That's what I saw in Tunisia with my eyes.
That's what I heard from media with my ears.

No war in the democratic world? No way, see what happened in a last decade. The good powerful democratic countries tried to spread the world's majority's idea by force, with about 28 thousands people dead.

What I wanna say is, I just want to stop taking democracy for granted without thinking and knowing anything about what exactly it is. I think I like democratic system, so I want to talk about it logically, rationally and naturally.

It was really nice to come here, outside of Japan, with a lot of friends from another social system. Thanks friends from CSST.

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