3/18/2012

なぜスペインには天才芸術家が多いのだろう

今日の朝日新聞の別冊、The Asahi Simbun Globeのコラムに載っていた内容。
約3週間をスペインで過ごしアートから文化まで様々なもの触れ合ったのは既に半年以上前。
そこで感じたセンスと乱雑さの混同したスペイン独特の雰囲気を、スペイン在住の芸術家・堀越千秋さんが伝えてくれている。
”美術以外の芸術分野にも、スペイン人はたくさんの天才を生んできた。何でなのか?まず、良くも悪くも自分勝手である。小学校で先生が「わかった人は手を挙げなさい」というと全員が挙げる。当ててみると、実は分かっていない。鬼ごっこをして捕まった子が「つかまっていない!」と強弁する。そのくせ、他人が本当に困ったり苦しんだりしていると、天使のように助けてくれたりもする。試しに、スペインの道で寝転んでみたら分かる。「どうしました?」と声がかかるだろう。日本なら親切な人が読んでくれた警察官が取り締まりに現れる。 ”
”欧米語で敬語があるのはスペイン語だけではあるまいか。つまり、自分勝手でありながら、他人に優しく、気配りと敬虔さがある。これが芸術表現を支える大きな心のもとではないだろうか。一見矛盾しているようでもあるが、芸術というのは、相反する二者を一つの中に昇華する仕事なのである。よく言われる、細心さと大胆さ、複雑にしてシンプル、男性的にして女性的、聖と俗、などなど。” 
 (The Asahi Shimbun GLOBE 2012年3月18日発刊 Artist's Eyeより)

ヨーロッパ周遊の話をするとき、必ず聞かれるのが「どこの国が一番良かった?」ということ。その答えに僕はたいてい、「住むならドイツ。楽しむならスペイン。」と答える。
日本で生まれ成長していては育まれないような、スペイン人の大らかさと明るさと適当さ。その気質がゆえに昨今の欧米経済危機で近隣諸国から多大なバッシングを受けているだろうが、間違いなく、当のスペイン人たちは気にする事無く毎日を楽しんでいると思う。
そうでなければゴヤ、ピカソ、ミロ、ダリといった天才たちがスペインから排出されることはなかっただろう。




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