8/01/2012

心で新聞を読む

我が家では、新聞を2部購読している。朝日新聞と日経新聞。
最近新聞が面白く、時間があるときは1時間以上かけて記事の隅々まで目を通して、色々と考えたくなる。

朝日と日経、同じ新聞でも中身は全く異なる。

その名の通り経済に関する情報を多く載せる日経新聞は、数字で読む。
"ホンダ純利益4.1倍""価格指数2.2%上昇""養殖物マダイ、卸値3割高"…
財務欄や経済欄で述べられてることをより深く理解するには、数字がわからなくてはならない。今の僕では、多分紙面の情報の1割も理解できていない。もっともっと数字に強くなりたいと、最近常々思う。

そして、朝日新聞は、心で読む。
天声人語を書き写すということが一大ブームとなり、専用の”書き写しノート”なるものがヒット商品となり小学校の授業等で導入されているという。
どんなに忙しくても、朝日新聞の天声人語だけは毎日読みたいなぁと思う。それだけ心に響く言葉、表現、美しい感性や日本語がそこには溢れている。
天声人語以外でも、一般読者の投稿による”声”や”オピニオン”で語られていることは、物事を定量的にではなく、感覚的に掴んだ意見が存分に盛り込まれていて、この気持ちをいつまでたっても忘れていたくないと思わされる。

日本語が読めても、新聞は読めない。
数字に強く、感性を鋭く、そうすることで新聞はより多くのものをもたらしてくれる。

もっと小さい頃から「天声人語書き写し」をやっていれば良かったなぁと思うのだけれど、昔に戻ることはできない。
そんなわけでもうすぐ23歳になる僕は、小学生に習い、気になる記事を忘れないようにメモしたり感じたことをこのブログに書くことを「夏休みの宿題」にしたい。


今朝の朝日新聞より、心で読んだ記事を2つ、備忘録に残しておく。
天野祐吉さんの”CM天気図”より、一部を抜粋。
オリンピックは、昔から、開催国の広告に利用されてきた。(中略)開催国は自国の広告にオリンピックを積極的に利用してきたし、参加国もまた、メダルの数を一つでも多くとることが国力の広告になると考えてきたところである。
(中略)それが、この30年ほどの間にずいぶん変わった。一言で言えば「国家間のメダル競争」から「地球村の大運動会」に変わった。
(中略)「電子メディアは地球を小さな村にする」とういマクルーハンの言葉通り、テレビの普及でオリンピックを、村の怪力さんや快足さんの技をみんなで楽しむ運動会になったのだと言っていい。
この時代に経済大国とか軍事大国とか、古くさい大国思考にふりまわされているのは、本当にみっともない。ロンドン・オリンピックの開会式でも、選手団の人数がやたら多い国よりも、3人とか5人で入場してくる国や地域の人たちの顔のほうがなんとなく平和で豊かなように見えたのは、ぼくだけだろうか。

天声人語より、ほぼ全文を抜粋。
きょうから8月。
(中略)この季節に思い出すのは「青春は美わし」(ヘルマン・ヘッセ著)という短編だ。夏休み、ふるさとに帰った青年が父母や弟妹とひと夏を過ごす。昔恋した少女に再開するが愛は実らない。休暇は終わり、青年は夜空に上がる花火を汽車から眺めて故郷を去っていく。詩情ただよう物語である。流れるように過ぎる夏。青年は言う。「休暇といえば、いつだって前半のほうが長いものである。」
(中略)月刊の文藝春秋が以前、宿題のやり方をタイプに分けていた。先行逃げ切り型は7月中に全部終わらせて後は左うちわ。まくり型は、尻に火がついてから大車輪。他にコツコツ積み立て型、不提出型というのもあった。
最後のは除いて、どのタイプにせよ、よく遊んで、よく学ぶ夏休みがいい。夏だけではなく、青春の逃げ足もまた速い。そんなふうに文豪ヘッセは説いている。

2 件のコメント:

  1. 本当?私は日本語を一年間勉強したのになんで日本語の新聞を全く読めないかとがっかりしたんだけど、日本人もそういう問題があるってびっくり!
    私も今日から読めるように頑張るわ!
    Steven Lim

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  2. Steven
    コメントありがとう!そして久しぶり。
    日本語って、すごく難しいと思う。いろいろな表現方法や比喩があって、文面通りでないメッセージが含まれていたりすることが多いからね。
    日本語の勉強頑張って!

    btw, it was really good to see you in HongKong. You finally went back home in the Bay Area. Hope to see ya soon in Tokyo, SF, HK, or somewhere in the world;)

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