新年を、タイのバンコクで迎えた。初めての海外家族旅行でタイはバンコクと、カンボジアはシェムリアップ(アンコールワット)へ。カンボジアではツアーで連れ回されて毎日忙しく、バンコクに戻ってきてやっとのんびり。母と弟は体調崩してホテルで療養中。
一人旅が板についてきてしまったので、家族との旅行やツアーでの行動というのは、正直、行動に制限がかかってしまって辛いものがある。貧困を目の当たりにしても、目線を下げることも立ち止まる事もできず、ただただ冷房の効いたバスで通り過ぎていく。自ら考えて行く場所を決めたわけでもなく、受動的な行動が続く。その結果、ガイドさんの言葉もあまり頭に入らずぼーっと過ごしてしまうこともあった。
僕は若干アメリカナイズされ英語ぶっているけれど、僕の家族はまったくインターナショナルではない。家族は英語では意思疎通できないし(母さんはおばちゃん根性でなんとなく現地の人と話してるけど)、海外旅行だってほとんど行ったことがない。父さんの仕事は日本オンリー。母さんと弟は海外滞在経験ゼロ。僕自身、初めての海外経験は大学1年生の夏である。その時の英語力は下の上ぐらい。今でも中の上ぐらい。
そんな下山家でも、ツアーや観光というかたちであるけれど、新年を海外で過ごすようになったというのは、我が家がお金持ちになったとか家族が海外志向になったというわけではないと思う。その反対で、世界や海外が近くなったということ。
日本人が中から外に意識を向ける力よりも、早く、強く、アジアや世界は変化していく。アジアという僕らにとっての”外”と感じるものが日本を融合していく力、あるいは日本を仲間はずれにする力は僕らが思い憂いるよりはるかに大きいのかもしれない。日本とアジアではなくて、アジアの中での日本。日本なしのアジア。事実、ここタイの首都バンコクの中心部を歩いていると、街を行き交う人々の肌の色は現地・隣国東南アジアの人びとの少し褐色の肌、駐在かホリデーで訪れている白色の肌、もともと華僑が多いために数多く感じる肌色、サリーや民族衣装ですぐにわかるインド人の濃い褐色の肌…日本の中心部で見るよりもっとカラフルな肌の色とたくさん出会う。東南アジアの先鋒であるタイは、アメリカ大統領がアジアを外交の中心地と選び初の外交で訪れたことが証明するように、今後の世界で大きな役割を担っていく。そんな様子を強く感じ取った。
今朝のホテルでもらった英字新聞”International Herald Tribune”の国際面での地域写真で見た日本は、アジアの中でもとても小さく、端っこにポツンと存在するなんだか弱々しい島国に見えた。
日本は島国だから、海外を遠く感じる。言語も違うし、なんだかうまくやっていけそうにない。そんな意識を僕も海外経験を積み重ねる前までは抱いていた。でも、今はそうは思わない。
昨日の夜から今日、2012年から2013年に変わっていった。この西暦が変化するというのは世界中どこにいても普遍のことであり、なんとなくめでたいもの。ホテルのエレベーターで乗り合わせた高貴な雰囲気の白人老夫婦と、朝食のバイキングで美味しいスクランブルエッグを作ってくれたタイ人の従業員と、市内のスタバでコーヒーを渡してくれた人に、初対面であるけれど挨拶をする。
”Hello, thank you, Happy New Year!”すると、ものすごく大きな笑顔であいさつを返してくれる。
”Happy New Year!"
肌の色や、思想や、持っているお金の量が異なっていても、共有できるものはたくさんある。安くて美味いものを食ったときの幸福感、美しい風景に出会ったときの感動、小さく弱気ものを守ってあげたいと涙流せる感受性、誰かに負けたくないな悔しいな頑張ろうという努力やヤル気、誰かと心通じた時に自然とこぼれる笑顔。そういったものを大切にしていけば、日本とか世界とかそういった垣根は僕らが思っているよりも小さくなると僕は思う。日本のみを見ず、世界だけを見ず、一人の人間としてしっかりと地に足を着けて、シンプルに丁寧に日々を過ごしていきたい。
Think globally, act locally, and live simply.
Today is the first day of the rest of your life.
I'm a part of all that I have met.
2013年、夢もなく、将来の目標も定まっていないブレブレの人生だけれど、良い年となりますように。進化する東南アジアで新年を迎えられたことに感謝。僕自身もこの国の成長スピードに負けないように一歩一歩、成長のできる年となりますように。
今年もみなさま、よろしくお願い致します。
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