1年ぶりの雪の東京。確か去年は年末年始あたりに雪が降った。その時も結構な大雪で、交通機関が麻痺して、翌日からはバリバリに凍った路面を人も道路も犬ですらも滑りながら生活をしていた。明日の朝も冷え込むらしい。バリバリな路面と人間・動物の静かな戦いが各地で勃発する。
雪が降ったら、僕は散歩をすることにしている。どこか遠くへ行くわけではない。家の周りをぐるっと歩きまわるぐらい。外の寒さに負けて、温かい家の中でのんびりしたくなるのだけれど、とびっきりの防寒具となるべく滑らなくて水が染みてこなさそうな靴を履いて、外に出かける。
雪が降ると、街が静かになる。夜が明るくなる。時間がゆっくりになる。
これは何も気分だけの問題ではなくて、実際に空気の隙間を多く含む雪は音を吸収し、白色は街灯の明かりを綺麗に反射する。自動車の最高速度は極端に遅くなり、自転車も歩く人のスピードもゆっくりになる。黒くて硬いアスファルトに囲まれた日常では当然となってしまっている様々なことが少しだけ変化する。そんな非日常はとても貴重なものだと僕は思う。
東京に雪が降る日は、1年でもせいぜい2〜3日ぐらい。そう考えれば、ゆきがしんしんと降る東京にいられるのは、今後50年間住み続け生き続けたとしても100回ぐらい。そう考えたら、寒いとか滑って危ないとかいってられない。貴重な日を、ほんの少しだけでも味わいたい。だから、雪の日には散歩をする。そういったメンタリティーをいつまでも持ち続けていたい。
成人の日で、新成人のみんなは大変だったかもしれないけれど、「ホワイト成人式」を迎えられたと思えれば、なんだか特別な日であったと思えて、足元手元は寒くても心は暖かくなる。
夜もどこかに散歩に出かけようかな…
そんなことを考えていたら、知り合いから電話があった。久々に近くにいるから飲みに来ないか、と。室内にこもりがちな最近の自分を釣れ出してくれる人がいることに感謝。
散歩がてらお店に行き、雪の日だからと言い訳にしながら普段はあまり飲まないウィスキーを、カウンターで、カッコつけながら。ケンツ、ありがとう。
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