大学の学科に入学した当時から仲がよい、尊敬できる友人がいる。
先日その友達と飯を食べているときに彼が行った言葉。
その話の延長(と言ったら言い過ぎだろうか)に、日本を代表する会社の経営方針が重なる。今日の新聞の朝刊に載っていたソニーの平井氏の経営方針説明会に参加した、朝日新聞編集委員安井孝之氏の話。
先日その友達と飯を食べているときに彼が行った言葉。
最近はfacebookやtwitterとかのSNSや、dropboxやevernoteとかの仕事効率化アプリがあふれているけど、それらを使いこなすことを目標にしてる人がたくさんいる。今年の目標はもっとfacebookを使いこなすことです、とか。でもこれっておかしくない?これらは全部何かを達成するためのツールであって、目標にしても意味無いでしょ。彼が行った言葉に、なるほど、と納得してしまった。
その話の延長(と言ったら言い過ぎだろうか)に、日本を代表する会社の経営方針が重なる。今日の新聞の朝刊に載っていたソニーの平井氏の経営方針説明会に参加した、朝日新聞編集委員安井孝之氏の話。
平井氏は、大写しになったディスプレーを前に、「ソニーを変える。ソニーは変わる」「ソニーが変わるのは今しかない」と語った。だが、40分の熱弁を聞いて「愉快ナル」(「自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」というソニー創業者井深大氏が掲げた言葉の一部)商品が次々に出てくるに違いないというワクワク感を、実は持てなかった。
スピーチは現状を分析し、取り組むべき課題を整理した。(中略)「手段」は具体的である。だが、黒字企業になるとして、どんな会社に生まれ変わるのか、という目標、理念は明確には語られなかった、
大赤字を抱えているのに 夢やビジョンを語っている余裕はない。そにかく具体的な政策だ―。そんな思いが多くの企業にも、それを取り巻く市場や有権者にもある。だが、これは組織や人が陥りやすい「手段の目的化」という病ではないだろうか。
イノベーションを生み出す経営について研究する野中郁次郎・一橋大学名誉教授は「現在の日本の経営者は『HOW』ばかりを語り、『WHAT』『WHY』をあまり語らなくなっている」と話す。
米アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズ氏は発表会の場などでアップルが目指す方向をこう示した。
「我々の心を高鳴らせるのはリベラルアーツ(教養)に結びついたテクノロジーであり、人間愛と結びついたテクノロジーである」(原文:It's in Apple's DNA that technology alone is not enough. It's technology married with liberal arts, married with the humanities, that yields the results that make our hearts sing.)
その言葉の中に「HOW TO」はどこにもない。
(2012年4月22日朝日新聞)自分が現在、そしてこれから行なっていく大学での研究は、この「HOW TO」を考える研究である。解析にかかるコスト、タイム、精度を比較検討して最適なシミュレーションを行う。メソッドと理論重視の研究だ。しかし、悩みに悩み選んだこの研究室の教授は、口を酸っぱくして僕達学生に問いかける。
「本質を見失っては駄目だよ。」と。本質とはつまり、目標。「HOW TO」にばかり集中して「WHAT」をおろそかにしてはいけないよ、ということを教授は知っている。この研究室にして良かったと思う。
面白いブログやってるね。目的と手段の混合は研究、就活、仕事、どのシーンでも起こりうることなので、その考えをちゃんと意識していきましょう。研究で行き詰まった時は、whatを再認識していくことは本当に大事。howばかりに気をとられ、本質を見失うとドツボにはまっていきます。それでは、夏の中間発表楽しみにしております。
返信削除研究室某M2より。
Hさん
返信削除コメント有難うございます:)
教授のみならず、研究室の先輩方は物事の本質わかっていて、尊敬できるかたが多くて楽しいです。夏の中間発表は、こんなブログ書いてたりブラブラしたりと研究だけに集中できない不良理工学部生なので自信ありませんが、出来ることを頑張ります。