4/07/2012

東京は、桜前線の只中にある。
毎朝のランニングコースの残り4キロほどを、石神井川沿いに走るのだけれど、その川辺には桜の木が連なっている。
次第に膨らんでくる蕾を見ながら走り、まだかまだか…と待ち続けていた。そしてついに開花。あっと言う間に満開となり、気がついたら散っているのだろう。

桜が開花してからは、そこの4キロのランニングのペースが著しく低下している。(ランニングの時に使っている、Nike+ GPS、オススメ。自分のペースがマップ上に表示されて面白い)
僕だけではなく、朝の通勤時間で忙しいはずの多くの人が足を止めて、写真を撮ったり眺めたりしている。
淡いピンクの、光のあたり方によっては限りなく白にしか見えない儚いこの小さな花の集まり。この花を愛でる感性を宿っている日本人として生まれて良かった。そう思うことができる素敵な季節。

桜前線はゆっくりと、ゆっくりと、北上していく。
僕は昨年この時期には日本にいなかったけれど、2011年春には大震災があり、多くの人の命が奪われた。そんな季節から1年が経過したということを桜の木は視覚的に教えてくれる。そんな記事や文章を日々目にする。
ワンピースという漫画。その中のストーリーの一つに「ヒルルクの桜」と呼ばれるものが出てくる。不治の病を、満開の桜が、癒したという話。僕の好きな話しの一つ。この話は漫画の中だけのフィクションなのだろうか。僕には、医学的に、科学的には証明することのできないなんらかのパワーを、桜が持っているようように思えてならない。
痛む日本列島を励まし、癒すように、桜が染め上げていく。

1ヶ月前に、大好きだった祖父が亡くなった。
今日のランニングの途中、満開の桜を見ながら、この桜をじいちゃんと一緒に見たかったなと考えた瞬間に、涙がとまらなく出てきた。天国にも桜はあるのかな。あって欲しい。
じいちゃんに会いたい。

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