6/16/2011

Good bye, America

10ヶ月を過ごしたアメリカをあと2時間で出発する。
今はボストンレーガン空港、イングランドへ向かう飛行機をロビーで待つ。



ボストンを夜の9時半に出発し、スコットランドのエディンバラで乗り継ぎ、ロンドンに到着するのは翌日の昼12時半。
ボストンとロンドンは時差が6時間あるので、約9時間ほどのフライトとなる。直行便であればおろらく5〜7時間ぐらいだろうか。
アメリカという一つの国を横断するのに一週間要したが、大西洋を渡り他の国へ行くのがわずか10時間足らずということに、文明の偉大さと恐ろしさを感じる。

アメリカは、電車に乗っても乗っても、ずっとアメリカであった。
人種の構成比や風土は違っていたけれど、どこにいってもあるのは星条旗で、彼らの心には一つの、アメリカ人であるという誇りや愛国心がしっかりとあった。
これからわずか数時間で到着するイギリス、さらにその後のヨーロッパの人々の心が、いままで10ヶ月過ごしたこの地の心ではないということが、まだ信じられない。
しっかりとその目で確認し、全身で感じ取ってきたい。

チケットゲートを超えたときに係員の人に尋ねられた。
「アメリカに再入国するのか?ビザが切れているみたいだけど」
「プログラムが終わったから、もう帰ってきません」
「じゃあこれはいらないな」
係員は、僕のビザの横にホチキス止めされた重要な留学証明書を、無残にちぎりとった。
留学中に無くしては絶対にならないときつく注意された書類だ。
その書類がなくなったパスポートを見て、初めて、アメリカを発つという感慨が生まれた。
僕はそんなに感情豊かではない。最後の最後の一瞬にまで、あるいは当たり前だったものが突然なくなるまで、そういった特別な感情が湧いてこないようだ。

搭乗ゲートが開いた。
ついに出発だ。今まで10ヶ月、本当にありがとう。
Good bye, America.

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