6/19/2013

右傾エンタメ、日本と世界との距離感

最近のベストセラー「海賊と呼ばれた男」「永遠の0」、ドラマになった「空飛ぶ広報室」、映画化された「図書館戦争」。作家の石田衣良さんがこれらの作品を「右傾エンタメ」であると指摘、そんな記事が一昨日6月17日付け朝日新聞朝刊に掲載されていた。
読者の右傾化?不満の表れ?「愛国エンタメ小説」が人気 ― 朝日新聞デジタル
それに対する著者の1人やtwitter上の人の意見も噴出し始めている。
レッテル貼り?右傾エンタメが流行中!? ― NAVERまとめ
「別に、日本のことを愛せとか、そんなこと、思わないし」 
「単純に面白い作品として楽しんでいて、それを右傾化とか言われたら心外」
そんな意見もありそうだし、そのとおりであると思う。

けれど、昨今、仲が悪くなっている中国や韓国の人から見て、僕らがこういったエンタメに熱狂している様はどのように移るのかな…と考えた。
「日本の最近のベストセラーは軍隊ものばかり」 
「愛国主義、まずはエンタメから」
そんな心ない週刊誌の見出しが頭に浮かんだ。メディアは物事の事実を「わかりやすく」そして「ストーリー性のあるように」補色して伝える。先の衆議院選挙のときも、民主党に対する「NO」を叩きつける感情が強かったように思える投票傾向を、右傾化する自民党に「YES」を唱えているといった解釈に近い表現が紙面を踊らせていた。それに関する記事も書いた。
「日本はいい国だよね!」という妄想の崩壊?


あらゆる国が自分のために行動する時代。国家資本主義の台頭。Gゼロの世界。
意識的であれ無意識的であれ、自分の国を好きになったり誇りに思うことが、他の国の人から非常識だと叫ばれ、バッシングの対象になりうるのだろう。

ある1つの事柄に対する時間軸の捉え方、視点の起き方、考え方や背景、それらが他者と全く一致するということはほとんどない。僕がどんなに頑張っても他の誰かと同じ思考回路を得られないように、国だって、独自の判断や認識で日々や過去の事実を解釈して血肉として、個性としている。


この世に真っ白な事実なんて存在しなくて、僕らが聞かされ教えられ語り継いでいくものは常に色が加えられた認識でしかないのかなぁ…と、そんな当たり前のことを改めて考えてみたり。

戦争で亡くなったご先祖様に向かって手を合わせたら、それは右翼なのか。軍国主義への回帰のように映ってしまうのだろうか。
海外に行く機会が僕らの世代は増えて、「あぁ、やっぱり日本はいい国だ…」って感情を抱くのは当然の事であると思うけれど、それが過去を美化していると言われて避難されてしまうのだろうか。


あと2週間でアメリカへ出発する。
短い時間ではあるけれど、少し保守的になりすぎているかもしれない自分自身の国との距離感、世界との距離感を一旦離れたところから測り直す良い機会になるかもしれない。



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