12/06/2012

「政治家と話そう」

この前、youtubeサーフィンをしていたらこんな広告と出会った。


「政治家と話そう」
日本の未来について直接話し合う、オンラインミーティング。質問締め切り間近に、ほとんど利用していなくて眠ったままだったgoogle+のアカウントから質問を投げかけてみた。

#政治家と話そう  
私は23歳の、工学を学んでいる大学生です。米への留学、中東やヨーロッパへのバックパック、祖父が亡くなったこと、守りたい人が出来たことなどから、日本の政治や将来というものにとても興味を持ち始め、日々、新聞を読みくらべ、ネット・TV上で討論を聞いています。
私が政治家の方と話したいのは、討論で話題となっているTPPや増税というさまざまな論点に関するひとつひとつの"what"や"how"ではなく、その先にある大きな"why"、この国の目指すべき「ビジョン」です。世界の中での地位が相対的に、さらに絶対的に弱くなっている日本が、50年後、100年後に目指すべき姿が何なのか。それをしっかりと政治家の方とシェアすることができて初めて、一つ一つの答えを出すのが難しい論点に自分なりの賛成・反対を見つけられるとおもいます。
「老楽国家」「ものづくり大国」「日本独自の文化やサービスを強める」「ポジティブガラパゴス」色々なビジョンが考えられると思います。政治家の方がどのようなものを目標として考えているのか、それはなぜか、「ビジョン」と"why"について話ができたら嬉しいです。

僕の質問に対して、尊敬する友人と、同じくこの企画に興味を持ってくれていた初めましての方がコメントを残して、アドバイスや新しく考える種を与えてくれた。
実際に政治家と話しができるかどうかはまだわからないけれど、最近とても興味を持ち始めた政治に関して、各党のキーポイントをまとめたり、党首討論を聞いたりと、僕なりにできることを少しずつやっている。


いよいよ10日後に迫った選挙日。昨日告示が終わり、政党乱立する直近2回のわかりやすい選挙とは趣きの異なる闘いとなった。なにかにつけて「自由」が欲しいとか、なにかに縛られるようなことは嫌だと言う人が僕の周りにいる。けれど、軽々しくそういうことを口にする人は今回の選挙のように色々と選べる自由があることを喜んで、しっかりと考えて自信のある一票を投じるのだろうか。僕の直感では違う。多くの人は、選択肢が増えたことによって得られるものは開放感や自由ではなくて、無気力感だと思う。
「なにがなんだかわかんない。」
「どれ選んでも一緒じゃない?」
「もっとわかりやすくすればいいのに」
そんな言葉を言い訳に、選挙権を放棄する、無関心になっている僕と同年代の若者が多いと、選挙が行われる度にニュースになる。今回の選挙は今までよりもさらに無関心になりやすい要素が多い。多すぎる論点、10党を超す政党、ぶれる政治家の発言。


テレビやニュースで耳にする各党の政策や、論争は全て「方法」("what"&"how")である。この「方法」が多すぎるから、僕達は考えようとする前に投げ出してしまう。しかし、この「方法」が語られるときに考えればいいポイントは2つだけである。それは、「状況」と「目的」(2つ併せて、英語では"why"のことだと僕が考えている)だ。「方法」とは、「ある特定の状況」のもとで「ある目的を達成する手段」のこと。「状況」と「目的」のふたつを見定めることで、「方法」の有効性が決まってくる。わかってくる。方法ありきでものごとが進んでいくわけではない。


政治とは、僕の生まれたこの日本という船の行く末を見据え、しっかりと舵を取ることである。そうであれば、「状況」は自ずと「現在の日本の状況」であることがわかる。しかし、その次にある「目的」が選挙では見えづらい。もちろん政治家一人ひとりは確固たる目的・目標を持っていて個別には発信しているけれど、そこのレベルでの論争や直の声を聞くことはなく、結局、「方法」のつぶしあいとなってしまう。そうなってしまうと、どの政党を選べばいいのかという指針がブレブレで、ゴールのないマラソンを走るような、何ラウンドで終わるかわからないボクシングをするような、なんだか締まりのない惰性な気持ちで選挙に臨むことになる。


「目的」は、僕達一人ひとりが心に描く「明日の日本」である。「ビジョン」であり、物語の行き着く「ハッピーエンド」である。それを尋ねるのは野暮かもしれないけれど、僕にはどうしても日本の「ハッピーエンド」がどういうものなのかがどんなに情報収集をしてもしっかりとした形では思い描けなかった。ぼんやりとは考えたけれど、それが正しいのかわからない。だから、プロの人と、政治家の考え方と僕の考えをぶつけてみたかった。それが僕がGoogleが行った政治家と話そうという企画に応募した理由だ。


今朝の日経新聞朝刊一面、論説委員長・芹川洋一さんのコラムから一部を引用。
経済力がどんどん落ちて、もはや二流国家になりさがろうとしている日本。ぎりぎりのところで立て直すにはどうしたらいいのか。政党に求められているのは、国の力をみなぎらせつための政策のきそい合いだろう。
(中略)たしかに脱近代で、つつましやかに生きていくのもひとつの考え方かもしれない。しかし、子や孫の代まで豊かで自由な生活を営むためには、一流国家で踏みとどまろうとする頑張りがいるにちがいない。
(中略)政党には、明日の日本をたしかなものにするための大きな物語を語ってもらわないと困る。そうしないと有権者は判断を間違える。ひとつの争点だけで選挙をやった結果、何がもたらされたかは過去2回が教えるとおりだ。
各党の政権公約に盛り込まれた各論の点検だが、そのとき大事なのは、政策を個別にみて比較するだけでなく全体としてとらえることだ。(後略)

同じく今朝の、朝日新聞一面、政治部長・曽我豪さんのコラムから一部を引用。
わかりにくい衆院選である。
正統派乱立、争点はあまりに多種多様で、賛否で仕分ければ対決構造はあまりに複雑だ。信を得てどんな政権が生まれるか、先行きの見通せなさは増すばかりだ。
過去2回は違った。(中略)しかし、単純明快で単線にすぎたその衆院選が、日本によりよきものを残したか。
(中略)わかりにくいからといって、この選挙がダメだと見切るには早すぎる。各政党に不明な点を答えてもらおう。どこで合意でき何で争うか、その全体像がみえて初めて、来たる政権像を選択肢が姿を現すのだ。
(中略)わかった気は禁物だ。丁寧に確かめ直しバージョンアップしたい。
12月16日は全国で、しばし鉛筆が止まりため息がもれる光景が続出しよう。書かずに帰る人もいるだろう。それでも、正しくきちんと悩む行為こそが、日本の政党政治を出直しさせる第一歩となるはずだ。

みんな、選挙とか本気で考えているのかな。
もしも興味があるけれどあまりよくわからないという人、めっちゃ考えてるよって人は、声をかけて欲しい。是非語り合いましょう。僕の分かる範囲でよければ偏っていない知識をおすそわけもします。


選挙を楽しもう。



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