イスタンブールに2日滞在し、12時間の深夜バスでトルコの内陸部アナトリアのカッパドキアへ。スクーターを借りて奇岩連なる大地を走り回り、気球に乗り、出会った旅行者と飲んだり語らいあったり。
独りで旅をしていると、本当にたくさんの人と出逢う。そして旅をしている人は、みなそれぞれ十人十色の旅をしている。
弾丸ツアーで、見所を抑えてサクサクと次の街へゆく人。
観光地・観光客が集う場所を嫌い、ひたすら秘境を目指す色黒の旅人。
初の海外旅行でビビっている19歳の学生バックパッカー。
これから中東を回るというたくましい、たくましい女の子2人組。
地球の歩き方とにらめっこしながら次の目的地を考え悩む僕と同い年ぐらいの日本人……
「なんでトルコにきたの?」と聞いたときの答えも様々だ。
「沢木耕太郎の深夜特急に憧れて。それとほぼ同じルートを周ってる。」
「カッパドキアの気球に乗るのが夢だった。」
「イスラム文化に興味があって。」
「アジアとヨーロッパの中間っていう言葉に惹かれて。」
「なんとなく……」
人の数だけ旅がある。
日程も、予算も、ルートも、目的も。誰一人として同じ旅をしている人はいなくて、誰一人として同じ感動や退屈を感じている人はいない。
最低か最高、そのどちらかである極端な旅をしている人(僕が出逢うのは、たいてい前者であるけれど)は、それだけ刺激的な経験をたくさんしているようで、ギラギラした眼と、なぜかくすんだ眼をもって僕に話をしてくる。出会って数時間では語りきれないようなたくさんの話を持っているのだろうけれど、それを自慢げに話したりはしない。だから僕は彼らと話をするのが好きだ。
僕の旅のかたちは、あまり決めていないけれど、かなり中庸なものであると思う。
高い宿には止まらないけれど、お金はそこそこあるから気球ツアーなどのやりたいことはやって、でも時間短縮のためのツアーには参加せずに安いスクーターを乗り回して、観たいと思った観光名所はほぼほぼ周るけれど、世界遺産の教会を見るお金を払うのをしぶってその浮いた分でワインを飲んだり。
地球の歩き方がやはり相棒で、それをみながら次の目的地を決めたり街を歩くけれど、だれかが「〜が良かったよ」と教えてくれた場所にあまり下調べもせずに行くことを決めて、結果、バスがなくて、宿も取れず、まぁでも行けばなんとかなるだろうと、とにかく近くの街へ行くことを決めたり。(いま、まさにその状況)
ストレスだらけの旅ではないから、ぼーっとする時間も多くて、日本が恋しくなったり、昔付き合ったり好きになった大事な人のことを思ったり、退屈したり。
旅をしている人は、みんな僕のように、なにかやだれかを想いながら日々を過ごしているのだと思う。
中庸でストレスの少ない旅をしていても、ふとした瞬間に素敵だなと思う言葉や景色に出逢う。
昨日の早朝、気球に乗って地上800メートルまで昇った。そこで、気球を操ってくれたトルコ人のガイドの言った言葉とそこからの景色が、今回のカッパドキアでのハイライト。
"In Cappadocia, balloons rain every morning. Beautiful, isn't it?"
「カッパドキは毎朝、気球の雨が降るんだ。キレイだろ?」
本当に、キレイだった。
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