6/15/2012

J.S.ミルの言葉

2012年6月15日付、日経新聞”やさしい経済学”より、抜粋。
イギリスの経済学者であり、哲学者でもあったジョン・スチュアート・ミルについて。
”彼(J.S.ミル)のユニークさは、ロマン主義者のように個性自体を重んじているのではなく、個性が人間に幸福をもたらすからこそ必要不可欠であると、あくまえ功利主義的態度で個性に接しているところである。社会の活力の源泉を、自分自身で判断し、自分の意思決定に責任を持つ、ユニークな個性を持ったこじんが社会に数多くいることに求めていた。”
”「自由論」でミルは個人の意思決定を尊重する態度を貫いている。「自分の計画を自分で選ぶ人は、能力のすべてを使う。現実をみるために観察力を使い、将来を予測するために推理力と判断力を使い、決定を下すのに必要な材料を集めるために行動力を使い、決定を下すために選別能力を使う必要があるし、決定を下した後にも、考え抜いた決定を守るために意志の強さと自制心を発揮する必要がある」”
”一方、ミルは、慣習に対して激しい嫌悪をあらわにする。「何も考えずに慣習に機械的に従うより」も、理性的な判断に従うほうがはるかによいとしている。また、考え方の多様性こそが人間社会の発展をもたらすことを何度も強調した。”
この記事を執筆された一橋大学経済学部の斎藤誠教授のHPを拝見。(こちら
ページの一番上に掲げられている言葉は、経済学とはどんな学問であるかというL.Robbinsによる定義である。
"The economics is the science which studies human behavior as a relationship between given ends and scare means which have alternative uses."
僕は、経済なんて原始時代にはなかったんだ、そんなことを考えるなんて意味のない無駄なことだ、人間の本当の幸せとはつながらない、と考えていたことがあった。
しかし、原始時代から長い長い年月が経過した人間は、1人ではできないことの多さを経験し、多数でしかなせない事柄の重要さを知り、 大小様々なグループを形成して生きていくことを選んだ。その1人でない状況で、大多数の幸福を得るためにはどのように人間の行動規定を定めればいいのかということを考える。その科学。それが経済学だとRobbinsやミルは説く。

「公共の福祉」という中学校の社会の時間に学んだ言葉。
それは大多数の幸福を得るために、小数の幸福を抑制することであると今までおもっていたのだけれど、冒頭で引用したJ.S.ミルの言葉を読んで自分の認識がすこしずれていたのかも、と思った。

経済というものに対する認識が、少しずつ変わってきている。
無関心であったのだけれど、関心を持ち始めてきた。これは大人になっている証拠なのかな。

J.S.ミルの本。ゆっくり読んでみよう。
自由論(日経BPクラシックス)

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