6/19/2012

自然といいヤツになるからさ

2012年6月19日付け朝日新聞、”リレーオピニオン”内での漫画原作者・久住昌之さんの言葉から抜粋。
”中学時代って、自意識過剰な自分を分かっていない。変な詩を急に書いちゃったり、授業中にサインの練習を始めちゃったり。3階からつばを落として途中で空中分解するのを観察するなんて、何も考えてない証拠でしょう。”
 ”バカやっている中学時代って、実は何度もやって来ます。大学生の時、大人の世界に触れて調子に乗っていた自分。新婚時代、幸せで我を忘れていた自分。後で振り返るとやっぱり恥ずかしい。”
”自分を大きく見せようとしても、どうせ空回りする。肩の力を抜いて、「オレってこんなもんだ。変わらないよ」と思えればいい。”
”成長って普通に生きて年を取れば、自然に起きることでしょう。赤ん坊が努力しなくても歩き、喋るようになるのと同じです。無理やり自分や人を成長させようとしても意味はない。(中略)普通でいい。人に意地悪しないで、悲しそうな人がいれば話しかける。そうしていれば、自然と「いいヤツ」になっていくんだと思います。”
以前、僕が書いた、「中二病」に関するエントリー(”Adolescent Sickness”)と同じような内容を、「中学生日記」を執筆して文藝春秋漫画賞を受賞した久住さんが語っていた。
2番目のクオートを読むと、まさに大学生のこの時期に、やっぱりヒトは自意識過剰になって中二病のような症状が出るんだと。僕のことだ。そして、新婚時代にも同じような症状がおきるという。

以前何かのコラムで読んだ「人生7年周期説」を思い出した。ルドルフ・シュタイナーが、人生の転機は7年サイクルでやってくると語ったもの。

7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳、63歳、70歳...

小学校に入った7歳、まさに中学2年の14歳、社会を知った21歳、結婚を考える28歳、35歳より先のことはまだ僕にはわからない。
Adolescent Sicknessの発生時期って、まさにこの歳の頃合いであると思う。
色々考え、自意識過剰になり、1人で生きようとして、自分は1人ではないのだと気付き、恥ずかしい思いをして、また一回り大きくなる。

7年。

このサイクルで人間は転機を迎える。成長する。
でもこの成長というのは、長い長い人生という上り坂をゆっくりと常に登っていく様(さま)ではないと感じる。
それは、小学校の校庭のグラウンドに白線で書かれたトラックを、第一レーンからのんびりと走っていく。7年かけて一周して、元の場所に戻ってきたら第二レーンに移る。そしてまた7年かけて一周し、第三レーンへ。
こうやって、同じ場所を走り続ける耐久レース。でも、外周が大きくなるにつれて走るペースも、感じる時間も、流れていく風景も早くなる。
人生の成長って、きっとそんな様なんだろう。

7年、7歳という歳月の隔たりを、考える。

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