3/28/2011

City Lights Bookstore

電子書籍の普及により、大手書店が大赤字を迎えている。





ここアメリカでもつい先日、業界二番手のボーダーズが破産法を国に申請。
既存店舗の3割にあたる200店を閉店させることになった。
(一昨日ダウンタウンのウェストフィールド内にある店舗に行ったら閉店セールを行っていた。)

アマゾンの電子書籍Readerであるキンドルは大流行しており、電車に乗ると必ずと行ってよいほどキンドル或はiPadで本を呼んでいる人を見かける。
従来の紙の図書を読むよりも持ち運びが楽、安い、どこでもいつでも買えるとメリットは盛り沢山だ。

ではこのまま電子化の波に押されて、街から書店は消え去ることになる運命なのか―

答えは、おそらく、NO。

なぜなら、電子書籍やネット上の書店には「ストーリー」がないから。
僕の言う「ストーリー」とは、本の内容ではなくそれに関する生い立ちや出版に至る経緯、その本の「歴史」と言ってよいかもしれない。

僕は本も好きだけれど、その本に関係している書店や著者や挿絵の画家や出版会社や―「ストーリー」が好きになることが多い。
例えば、今日訪れたサンフランシスコにある「City Lights Bookstore」
ここは1950年代に起こった文学的ムーブメント、ピートニク発祥の地といわれている本屋であり、アレン・ギンズバーグの詩「Howl」をはじめ、ピートニクに生まれた数々の詩を出版した版元として知られている。




この書店は、流行りの本よりも詩集、アート、思想、哲学といった個性的な品揃えが並び、ゆっくりと本を選ぶことができる。
こういったお店は、100年後もきっとこの場所にあり続け、新しい「ストーリー」を生み続けていると思う。

バークレーにあるSerendipity Books、ニューヨークにあるHousing Works Bookstoreといった新旧の古書店もまた、大手書店が店を畳む一方でひっそりと、「ストーリー」を発信し続け昔も今もこれからも多くの人に愛されてそこにあり続けている。

0 件のコメント:

コメントを投稿