2/01/2014

"break the bias"

インターンシップに参加して、TEDスピーカーにもなった濱口さんからレクチャーを受けた。


"break the bias"
固定概念や常識を打ち壊すこと(すなわち、先ずはそのバイアスを構造的に見つけること)が、全く新しく、実現可能で、議論を呼び起こすビジネスのアイデアやイノベーションの種となる。そんなことを学んだ。
今月号の雑誌「ブレーン」の特集になっているらしいです。
(⇒ブレーン 2014年 03月号

とても有意義でワクワクする時間であったけれど、僕はまだビジネスをしているわけではない。そんな僕がビジネスに関することを思考実験的に仮定して考えてプレゼンしてみても、いまいちリアリティがないのが本音でもあった。そんなわけでレクチャーを聞きながら、もっと身近な、僕達人間が抱いている日々の感情や感覚のバイアスについて考えていた。
なぜか、インドでの日々を漫然と思い出しながら。


人は、ほかの人が同じことをしていれば、それがより適切な行動だと思う傾向があり、それは通常うまくいく。概して、社会的な証拠に従って行動するほうが、それに反して行動するより間違いは少なくなるからだ。その案外正しい行動や思想が、当たり前となり、常識となり、バイアス=固定概念を生み出す。それはときに不条理で、見る人によっては非常に不気味な現象となる。
(⇒「みんなの意見」は案外正しい(ジェームズ・スロウィッキー)


知恵の足りない僕は、固定概念の存在を「はっ!」と導き出すことが、あまり出来そうもない。でも、持ち前の行動力と、人並みの好奇心なんかを持って、海外に一人旅に行くと、「当たり前が当たり前でないこと」に度々気がつく。そんなことを何度も経験してきた。その中でも、インドに言って感じたことや気づいたことの多さと深さは今思い出してみても格別だった。


手足に障害があったり貧しい人がいたら助けること。
若者は元気に学び将来に夢を持つこと。
夜の街は明るいこと。
人生は長く永遠に続くものだということ。

そんな僕の人生の中での「当然」が、インドではみるみる崩れていった。

僕を騙すために、お恵みをもらうために、わざと自らの手足を切断する人がいた。
6歳の子供が、学校に行く時間を惜しんで田畑で作業をしていた。
夜の街に灯りがともらない農村もたくさんあった。
人生は有限であることを、ガンジス川で焼かれる死体を見て気がついた。

人として生きることってなんだろう。
そんなことをやんわりと考えるきっかけとなった。







「はっ!」と気づくことができない僕みたいな人でも、気づくことができるようになる方法というのが、インターンシップで濱口さんが伝えて下さったことだった。
しかし、まだこんなに世界が多様で楽しいのだから、そして人間は他者を理解する力を本質的に備えている(と、僕は信じている)のだから、自分の属する人との会話や観察、実験からイノベーションを見つけられたら面白いだろうとも感じる。

イノベーションにも色々な種類があるけれど、人間の「相互作用」によって生まれたイノベーションのほうが、僕はなんとなく好きなんだと思う。

また、無性に、インドに行きたくなってきた。



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