砂漠・砂丘の魅力とはなにか。
それは、人の手が加わることなく、ただ風と砂と空という最小限の構成要素によって、これほどまでの美しさが織り成されるということ。
これに尽きると思う。
人生で3度目の砂丘・砂漠を訪れた。
リマからバスで南に向かって4時間、ナスカにほど近い都市、Ica(イーカ)。そこからすぐにある砂丘とオアシスの町、Huacachina(ワカチナ)。
ここは、僕の親友が昨年夏に訪れて、
「オアシス(宿が集まっている場所)を見失って遭難しかけた…」と語っていた場所。彼の話を聞いてみて「行ってみたい!」と思った、今回の旅の目的地の一つ。
今まで僕が訪れたことがある砂丘・砂漠は、カリフォルニア・デスバレーの砂丘、チュニジア南部のサハラ砂漠、そして今回のHuacachinaで3度目となる。
そもそも、砂丘と砂漠の違いってなんだろう?そう思って調べてみると、砂丘で有名な鳥取の観光サイトを見てみると、次のような説明があった。
[Q]砂漠と砂丘の違いは?
[A]鳥取砂丘は砂漠ですか?とよく聞かれます。この答えはノーです。
鳥取砂丘は砂漠ではありません。そもそも日本には、砂漠は存在しません。
では、砂漠と砂丘の違いは、何でしょうか。
一番の違いは、雨の量です。砂漠は乾燥地気候の中で乾燥が著しい地域にあります。乾燥のため生物の活動がほとんど維持されない不毛の地です。
一方、砂丘は、風によって運搬された砂が堆積して丘などの地形を作ったものです。鳥取砂丘は、中国山脈から千代川によって日本海まで運搬される土砂がやがて砂となり、北よりの風により海岸に吹き上げられ堆積してできた海岸砂丘です。
鳥取砂丘では、雨もたくさん降るし、冬には雪も積もります。植物も育ちますが、砂の動きが激しいところでは、植物が生長しにくく、広大な砂の面が広がっています。
この広がりを見た方は、その広さに感動し、思わず砂漠を連想します。
よく知られている風紋だけでなく、砂がしめったときに強い風が吹くと砂柱と呼ばれる砂の造形を見ることもできます。
また、湿った砂の斜面が、乾燥して砂が崩れるときには砂簾を見ることもできます。
鳥取砂丘王国-砂丘のヒミツ(Q&A)
もう少し調べてみると、年間降雨量が250mm以下、または降雨量より蒸発量のほうが多い地域などの定義もあるという。
砂漠と認定されるには雨が多すぎるようなHuacachinaの砂丘。
しかし、見渡すかぎりに砂山が続く様子、美しい風紋、友達が遭難しかけるような距離感と方向感を失うような環境は、砂丘か砂漠かなどの定義などいざ知らず、ただただ魅力的だった。
これらの言葉に、草木が芽生えることのない無味乾燥な不毛地帯を思い浮かべる。
しかし、ただ砂と、風と、空によって、息を呑む美しさが生みだされることを改めて見知った。
美しさは実は、やっぱり、シンプルなもの。
そして、一見あり得なさそうな場所にひっそりと存在している。
そう思った。
そう思った。
砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているから
What makes the desert beautiful is that somewhere it hides a well..
-『星の王子様』