6/09/2015

『悲しみに終わりはない。』

涙を流した。

ハフィントンポストに掲載されていた、Facebook最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグの手記。彼女は『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』が一昨年ベストセラーになり、日本でも知名度が高い。
そんな彼女が最愛の夫を事故で亡くした。そして30日後に、悲しみと憎しみと感謝と愛を綴った言葉をFacebookに載せた。


以下、記事より引用。
「私はこの30日間で30年分、年を取りました。そして、30年分の悲しみを味わい、30年分賢くなったように感じています。」 
「私は未だに救急車を通すために脇に避けてくれなかった全ての車を憎んでいます。救急車を先に通すことより、自らの目的地に1分でも早く到着することを優先した全ての人々を憎んでいます。   
私はいかに全てのことが、はかないのかを学びました。実際に全てのことは、はかないのでしょう。
「私は回復力について学びました。アダム・M・グラントから回復には3つの重要なことがあり、その3つ全てが実行可能だと教えられました。 パーソナライゼーション(個人化) - 自分のせいではないと認識すること。彼は「ごめんなさい」という言葉を使わないよう私に言いました。これは私のせいではないと何度も何度も自分に言い聞かせました。パーマネンス(永続性) - この感情が永久に続くわけではなく、徐々に良くなっていくと覚えておくこと。パーベイシブネス(普及性) - このことが自分の人生全てに影響を及ぼすわけではないと理解すること。他のことに影響しないように分けて考える能力は健全です。」
人の命のはかなさに絶えず気を揉み心痛めるほど、僕たちの生活は暇ではない。
日々の生活、仕事、束の間の楽しみに紛わされながら毎日を懸命に生きている。
それでいいのかな、とも思う。

でも、だから、僕たちは忘れてしまう。
『出逢ったのなら必ず別れがある』
そんな至極当たり前の真理を。
愛する人との死別は、遅かれ早かれ誰にでも訪れ、そしてそこから多くのことを学ぶのだろう。
命について、愛について、身近にある儚く脆く目に見えない、けれど大切なものごとを。

シェリル・サンドバーグの手記を読み終え、顔を上げると、目の前を老夫婦が歩いて行った。
目が、少し潤んだ。




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