晩冬のこの季節、お天気お姉さんが連日そう伝える。日本の、東京の寒さ。
アメリカを襲う大寒波ほどではないけれど、確かに寒い。でも、寒いから嬉しいこともたくさんあって、それを楽しめないと、人生損だなぁ…って。そんなことを思う。
「寒いねと話しかければ寒いねと答える人のいる暖かさ」俵万智
朝、家の近くを歩いていたら、御寺の境内に、霜柱がびっしりと立っていた。ザクザクと踏み倒す感触、昔から好きだった。好きなものや楽しみは、歳を重ねるにつれてどんどんと増えていく。
新年会でひっかける日本酒の味、スタバの暖かいコーヒーをお洒落に飲むこと。豪勢なご飯、海外への留学や旅…
そんなこと、小学生の僕はまったく知らなかった。それなのに、あんなに楽しかった、幸せだった、ただザクザクやってるだけで。
人生を考えたときに、これからきっと、今の僕の知らない好きなものが、また、増えていくのだと思う。
企画が通った!オシャレな服買えた!美味しいもの食べた!昇進した!世界が良くなった!
でも、なんとなく思うのは、人生の終りの頃に、また戻ってくる幸せは、霜柱をザクザクと踏み倒していく、そんな類の、幼い楽しみなのではないだろうか。
街をゆくおじいちゃん・おばあちゃんの眼差しを見ていると、ふと幼さを感じたりするのは、そんな理由があるのかもしれない。
ザクザク、ザクザク。
あと何年生きられるだろうか。意味もなく、そんなことを考えることがある。運良く、平均寿命まで生きるのであれば、あと50年ぐらい、か。
50の季節、50の冬、50の霜柱。
人生の有限性をふと感じる。
今朝思い出した詩。
昨年6月、沖縄全戦没者追悼式にて小学校1年生が朗読した「平和の詩」。
「へいわってすてきだね」
へいわってなにかな。
ぼくは、かんがえたよ。
おともだちとなかよし。
かぞくが、げんき。
えがおであそぶ。
ねこがわらう。
おなかがいっぱい。
やぎがのんびり
あるいてる。
けんかしても
すぐなかなおり。
ちょうめいそうが
たくさんはえ、
よなぐにうまが、
ヒヒーンとなく。
みなとには、
フェリーがとまっていて、うみには、かめや
かじきがおよいでる。
やさしいこころが
にじになる。
へいわっていいね。
へいわってうれしいね。
みんなのこころから、
へいわがうまれるんだね。
せんそうは、
おそろしい。
「ドドーン、ドカーン」
ばくだんが
おちてくるこわいおと。
おなかがすいて、
くるしむこども。
かぞくがしんでしまって
なくひとたち。
ああ、ぼくは、
へいわなときに
うまれてよかったよ。
このへいわが、
ずっとつづいてほしい。
みんなのえがおが、
ずっとつづいてほしい。
へいわなかぞく、
へいわながっこう、
へいわなよなぐにじま、
へいわなおきなわ、
へいわなせかい、
へいわってすてきだね。
これからも、
ずっとへいわが
つづくようにぼくも、
ぼくのできることから
がんばるよ。